獣医師は年収1,000万稼げる？平均値や給与アップのコツを解説

獣医師として動物の命を守る仕事に誇りを感じつつも、現実面で収入やキャリア成長に悩みをお持ちの方はいませんか。

「このまま獣医師として働いていて、いつか年収1,000万円を稼ぐことは可能なのだろうか？」このような疑問を感じることもあるでしょう。この記事では、獣医師の平均年収に触れながら、今後収入をアップさせるための具体的な戦略を詳しく解説していきます。

獣医師として転職を考えている方に役立つ情報をまとめているので、ぜひ参考にしてください。

獣医師で年収1,000万は可能か？

結論から言うと獣医師が年収1,000万を稼ぐことは、不可能ではありません。

しかし「勤務獣医師」が、早い（若い）段階から年収1,000万を稼ぐことはやや難しいケースが多いでしょう。

獣医師全体の給与平均値は1,000万円には届かないものの、年齢や経験を重ねていくことで、高い報酬を得られる可能性は十分にあります。

以下では獣医師の平均年収を、雇用形態や地域別などさまざまな角度から解説します。

獣医師の平均年収

厚生労働省の職業情報提供サイトによると、獣医師の平均年収は約685万円です。

パートやアルバイトの場合、時給1,300～2,500円程度が多いでしょう。

勤務地や病院規模、経験年数などによって前後するものの平均時給は1,800円が目安です。※TYL調べ

獣医師の年収については、以下の記事も併せて参考にしてください。

獣医師の年収が低い理由！初任給から地域や経験年数による違いを解説

【地域別】獣医師の平均年収

ここでは、獣医師の平均年収を地域別にまとめています。

首都圏を中心に、各エリアのいくつかの県をピックアップしました。

参照：厚生労働省 職業情報提供サイト（日本版O-NET）

この表内でもっとも平均年収が高かったのは、三重県の「1010.4万円」です。

一方、もっとも低い数値は鳥取県の「293.4万円」となっています。

これらの結果から、地域によって大きな差があることが見受けられます。

【年齢別】獣医師の平均年収

次に獣医師の年齢別の平均給与額を紹介します。

※千円以下の端数は切り捨てで表記

※「決まって支給する給与」のみを参照しています

参照：賃金構造基本統計調査（2023年）

年齢別に見てみると、65～69歳の「663万円」がもっとも高い数値です。

20代では300～400万円台が平均ですが、50代以降は倍近くになっていることが数値から分かります。

獣医師の仕事は、経験を積み重ねることで得られる報酬がアップする可能性が高いでしょう。

【会社規模別】獣医師の平均年収

最後に、会社の規模別の獣医師の平均給与を以下の表にまとめます。

※千円以下の端数は切り捨てで表記
※「決まって支給する給与」のみを参照しています
参照：賃金構造基本統計調査（2023年）

規模別に見てみると、1,000人以上の大企業のほうが平均年収が高くなっていることが分かります。

ただしあくまで平均値となるため、実際の給与は会社規模の大小だけで判断することは難しいでしょう。

獣医師が年収1,000万以上を稼ぐ4つの道筋

獣医師が年収1,000万を稼ぐためには、以下の方法があげられます。

・動物病院を開業する
・フリーランスの獣医師として活動する
・先輩獣医師から事業承継する
・年収が高い会社に転職する

さまざまな働き方があるため、給与だけではなく労働環境ややりがいなど、多角的な視点から見て自分に合うものを選ぶことが大切です。

動物病院を開業する

年収1,000万を目指したい獣医師は「独立開業」を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

地域や規模によりますが開業医の平均年収は800～1,200万円が目安となっており、頑張り次第で高収入を目指すことが可能です。※TYL調べ

しかし開業には初期費用がかかるため、借金を抱えるリスクがあることは頭に入れておかなければなりません。

開業して成功するためには経営としての資質や能力が必要であり、勤務医とは異なる大変さがあるでしょう。

動物病院の開業については以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

小動物臨床獣医師(動物病院)の年収は？開業医年収と給料アップのコツも紹介

フリーランスの獣医師として活動する

獣医師のなかには「フリーランス」という働き方を選ぶ人もいます。

「働いた分だけ報酬を得られる」という点が、勤務獣医師との大きな違いです。

自分の裁量で仕事や業務内容を選べるうえ、開業（店舗出店）に比べて金銭的負担がないこともメリットと言えるでしょう。

業務委託やスポットという形態で、いくつかの病院と契約している獣医師もいるようです。

ただし、継続的に仕事をもらえるとは限らないため、自身で営業活動を行う必要があります。

先輩獣医師から事業承継する

獣医師の働き方のひとつとして、動物病院を閉業しようとしている先輩医師から、その事業を承継するケースもあります。

先輩獣医師と自分の条件がマッチすれば、年齢や経験値に関係なく動物病院の経営に関われます。

すでに顧客のいる既存店舗でそのまま営業を行えるため、一から開業するよりもローリスクで始められる点がメリットと言えるでしょう。

自分が引き継いで新たなオーナーになった場合、開業医の平均年収である800～1,200万円程度を狙うことも可能です。

年収が高い会社に転職する

会社に所属したまま働きたい方や、現在は独立を考えてない獣医師が高年収を目指したい場合、給与条件が良い会社への転職を検討しましょう。

大手企業や公務員など、勤務獣医師でも高年収で働ける可能性はあります。

開業や独立はせず、転職活動に力を入れるのも年収アップに有効な方法です。

獣医師が希望の企業で働くためには、経験値やスキルアップはもちろんのこと、将来のビジョンをしっかり持つことも肝心です。

どのような職場で働きたいのか、以後のキャリア形成はどうするかなど、一度書き出してみましょう。

きちんと計画を立てて転職活動をすれば、勤務獣医師が年収1,000万を目指すことは夢ではありません。

獣医師の活動分野（就職・転職先）

獣医師は、活動分野によって給与体系や平均年収が変わります。

獣医師の主な就職・転職先には以下があげられます。

・動物病院
・公務員
・産業動物関連
・動物園・動物園・公営競馬
・製薬会社・ペットフード会社など

同じ獣医師でも勤務先によって仕事内容がまったく異なるため、自分がやりたい（得意な）業務内容であるか、あらかじめ確認しておきましょう。

獣医師の就職先についてはこちらのページでも解説していますので、併せてご覧ください。

【獣医師】獣医学生の就職先ってこんなにあるの⁉ 就職・転職支援のプロが徹底解説!!

動物病院

もっとも多い獣医師の勤務先は「動物病院」です。

獣医師の資格を持っている人の約40％は、動物病院で働いているというデータがあります。（参照：農林水産省資料）

勤務医として動物病院で働く場合の初任給は、約300～400万円程度です。

その後の平均年収は400～600万程度になることが多く、1,000万円を超えることは難しいかもしれません。

公務員

獣医師の資格を活かして「地方公務員」または「国家公務員」として働くことも可能です。

公務員として働く獣医師は、約22％となっており動物病院勤務の次に多くなってます。

それぞれの主な勤務先は以下のとおりです。

※TYL調べ

推定年収はあくまで目安であり、実際の金額は勤務年数や役職に応じて変化します。

平均値としては年収1,000万には届かないものの、比較的高い給与水準であると言えるでしょう。

産業動物関連

産業動物獣医師は牛や馬、羊など、家畜の健康を守る仕事です。

平均年収は新卒で330～363万円程度、中途・経験者で462～527万円程度が目安となっています。

経験やスキルによって給与は変動するため、専門性を高めたり経験値を上げたりすることで、年収1,000万を目指すことも可能です。

産業動物の診療に従事する医師は全体の約11％となっており、獣医師のなかでも高い専門性を持っていると言えるでしょう。

動物園・動物園・公営競馬

動物園や水族館に就職することも、獣医師のキャリアのひとつです。

動物園や水族館では多種多様な動物のケアをすることになるため、幅広い知識が必要になります。

動物園に勤務する獣医師の年収の相場は400～500万円となっており、動物病院での勤務と同等です。

日本中央競馬会（JRA）は、農林水産省が管轄している特殊法人であり、平均年収は400～1,000万円程度の高水準になっています。

日本中央競馬会（JRA）への就職を希望する獣医師は多くいるため、就職・転職するのはそう簡単ではないかもしれません。

製薬会社・ペットフード会社など

獣医師の知見を活かして、製薬会社やペットフード製造会社で会社員として働く人もいます。

製薬会社に勤務する獣医師資格所持者の平均年収は、中堅社員で600～800万、管理職以上であれば1,000～1,500万を超えることも珍しくありません。

動物と触れ合う機会は少なくなりますが、製薬会社の社員になるという選択は年収アップへの近道と言えるでしょう。

勤務獣医師が年収を1,000万に近づける3つのコツ

獣医師が年収1,000万を達成させるためには、以下3つのポイントを押さえておくことが大切です。

1. 獣医師としてのキャリアを積む
2. 自己研鑽を続ける
3. キャリアアドバイザーに相談する

目標や計画を立てておくことで、希望の転職先が見つかりやすくなったり、年収アップが叶いやすくなったりするでしょう。

1.獣医師としてのキャリアを積む

獣医師として年収を上げるためには、勤務年数の長さが大切です。

経験年数が長くなれば年収アップも期待できるため、まずはある程度の期間、継続して勤務を続けることが重要です。

さらに、専門性を高めておくと獣医師としてのキャリアアップにつながります。

たとえば「外科手術の経験を積む」「珍しい動物の対応を積極的に行う」など、自分の得意分野を深堀りしてみるのもよいでしょう。

2.自己研鑽を続ける

獣医師としてのスキルを上げて年収1,000万を目指すには、自己研鑽を欠かさないという意識が必要です。

幅広い分野で活躍するために、関連する資格を取得することもおすすめです。

一例として「動物行動学資格」や「動物栄養士資格」などの資格を持っていると、動物病院での勤務において飼い主へのアドバイスがしやすくなります。

3.キャリアアドバイザーに相談する

獣医師としてどのようなキャリア形成を行うと良いのか、専門家に相談することもおすすめです。

キャリアアドバイザーに相談することで、ヒントをもらえたり、自分では知らなかった道が開けたりすることがあるでしょう。

日々の業務をこなしながら、良い転職先を見つけるのは難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。

専門家であるキャリアアドバイザーの力を借りれば、遠回りすることなく、希望のキャリアアップを目指せるかもしれません。

転職に興味をお持ちの獣医師の方は、こちらの記事も併せてご覧ください。

獣医転職でよくある3つの失敗パターンと改善策とは？

年収1,000万の獣医師になるためのキャリア形成を考えよう

勤務医である獣医師が年収1,000万になることは、現実的に可能です。

決して簡単とは言えませんが、計画を立てて努力すれば十分目指せる年収だと言えます。

ひとりで情報収集したり計画を立てたりすることは非常に大変なため、専門家であるキャリアアドバイザーに相談しましょう。

獣医師専門の就職・転職支援サービス「ベットエージェント」では、無料でキャリア相談を行っています。

電話だけではなくメールやLINEでも相談できるため、忙しい方もすき間時間に転職活動を始められます。数多くの転職をサポートしてきたプロフェッショナルが即時対応し、現役獣医師さんの悩み解決に向けて尽力します。

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