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獣医師の将来性を徹底解説|将来に期待できる理由や未来をよりよくする方法も

獣医師の将来性を徹底解説|将来に期待できる理由や未来をよりよくする方法も

「獣医師に将来性ってあるの?」

このような疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか?

結論からいうと、獣医師には将来性があります。獣医師の不足や働き方の多様化といった背景により、獣医師の需要が高いためです。しかし、労働条件や労働環境の厳しさから、獣医師の将来性を不安視する声が上っているのも事実です。

本記事では、獣医師に将来性がある理由と、将来性が不安視されている理由をあわせて解説します。自分の力で将来性を高める方法も紹介しているので、未来をよりよくしたい方は参考にしてみてください。

「獣医師の将来性はある」と言える3つの理由

「獣医師の将来性はある」と言える3つの理由

「獣医師の将来性はある」と言える3つの理由を解説します。

・獣医師が不足しているから
・働き方が多様化しているから
・専門性の高い治療が求められるから

順番に見ていきましょう。

獣医師が不足しているから

厚生労働省のデータによると、令和5年度における獣医師の有効求人倍率は2.32倍です。これは求職者よりも求人が多い状況を示しており、獣医師不足である証拠です。

また、2022年に弊社が実施した「獣医師の働き方に関する意識調査」では、獣医師の約6割が「獣医療業界は人材不足だと感じている」と回答していました。

実際の統計データ、現場の体感の両方から、獣医師は不足しているといえます。

とくに、家畜産業の発展にともない、家畜の疾病予防や食肉検査などにあたる公務員獣医師や産業動物獣医師の不足が深刻化しています。

不足の原因は、獣医学科を卒業した多くの新卒者が、動物病院への就職を希望するためです。農林水産省が実施した調査では、令和4年度で動物病院へ就職した人は47%であるのに対し、公務員獣医師や産業動物獣医師になった人は23%でした。

獣医師の人材を必要としている現場は多く、将来性があるといえます。

働き方が多様化しているから

飼い主のニーズが変化していることにともない、獣医療サービスの幅が広がってきています。具体的には以下のようなサービスが求められています。

・訪問診療
・夜間診療
・リモート診療

さまざまなサービスが求められることによって獣医師の働き方も多様化するため、就職先の選択肢も増えています。

また、近年はハリネズミやフェレットといったエキゾチックアニマルを飼う人も増加しています。治療対象となる動物の拡大により、獣医師が活躍する場も増えるため将来性があるといえるでしょう。

以下の記事では、獣医師のリモートワークの働き方を解説します。職種やそれぞれの仕事内容について詳しく知りたい方は、あわせてご覧ください。

獣医師のリモートワーク(在宅勤務)ってどういう仕事?メリットや課題についても解説

以下の記事では、「エキゾチックアニマルの診療は獣医師としての価値を高めるのか?」を現役獣医師が考察しています。エキゾチックアニマルに興味のある方はぜひご確認ください。

【現役獣医師が考察】エキゾチックアニマルの診療は獣医師としての価値を高めるのか?

専門性の高い治療が求められるから

近年、高度な治療を求める飼い主が増えている傾向にあります。ペットが家族の一員と認識されるようになり、医療の質を追求する意識が高まっているためです。

以下は、一般社団法人JA共済総合研究所の「ペット保険の現況」に記載されている犬の1ヶ月あたりの年ごとの医療費を示した表です。

医療費
2018年 3,642円
2019年 3,951円
2020年 4,653円
2021年 4,713円
2022年 4,653円

年々少しずつペットにかける治療費が増加しているのがわかります。

また、インターネットの普及により治療に関する飼い主の知識が向上していることも、高度な治療が求められている要因のひとつです。

専門的な知識や技術をもつ獣医師はとくに、将来性があるといえます。

獣医師の将来性が不安視される4つの理由

獣医師の将来性が不安視される4つの理由

次に、獣医師の将来性が不安視されている4つの理由を見ていきます。

・医師・歯科医師に比べて給料が低いから
・ペットを飼う家庭が減ってきているから
・女性が働きやすい環境を整えている段階だから
・労働環境にきつさを感じるから

順番に解説します。

医師・歯科医師に比べて給料が低いから

以下は、同じ医療系の職種の平均年収を示した表です。

職種 平均年収
医師 約1,436万円
歯科医師 約924万円
獣医師 約686万円

参考:厚生労働省| 令和5年賃金構造基本統計調査より算出

獣医師の年収は、歯科医師の平均年収より200万円ほど低く、医師と比べると半分以下という結果でした。

大学に6年通い、国家試験を経て資格を取得する点は医師・歯科医師と同じであるにもかかわらず、収入に大きな差がある現実に将来性を見いだせなくなる方もいます。

以下の記事では、獣医師の年収が低い理由を解説しています。獣医師の給与事情について詳しく知りたい方は、あわせてご覧ください。

獣医師の年収が低い理由!初任給から地域や経験年数による違いを解説

ペットを飼う家庭が減ってきているから

以下は、経済産業省が調査した犬の登録頭数の推移を示したグラフです。2011年から犬を飼う家庭が減少傾向にあるのがわかります。

ペットを飼う家庭が減ってきている

出典:経済産業省|ペットブームは頭打ち?

猫については正確な頭数の把握が難しいものの、ペット全体の数としては横ばい、もしくは減少傾向にあると判断しても現実との大きな差異はないと考えられます。

ペットを飼う家庭が減れば、治療する患者数も減少し、治療施設の経営が厳しくなります。この状況は、将来の安定性を脅かす要因といえるでしょう。

女性が働きやすい環境を整えている段階だから

農林水産省の調査によると、20代の女性獣医師は54.8%と男性獣医師よりもやや多いです。しかし、30代になると女性獣医師の人数が減少し、その後も半数を下回っています。

女性が働きやすい環境

出典:農林水産省|獣医事をめぐる情勢

女性獣医師が減少する要因のひとつに、産休や育休の取りづらさがあると考えられます。国は産休・育休制度の促進を進めているものの、周囲の目を気にして退職を決断する方も少なくありません。

弊社が実施した調査で「現在の職場は育児休暇が取りやすい環境ですか?」と質問したところ、37.2%の獣医師が「いいえ」と回答しました。

獣医師の働き方に関する意識調査

出典:株式会社TYL|獣医師の働き方に関する意識調査

女性の働きやすさが改善途上であることも、将来性への不安につながっています。

労働環境にきつさを感じるから

獣医師は、急患や体調が急変した動物がいれば、最優先で治療にあたります。予想外の残業が発生しやすい職種であるため、仕事とプライベートの切り分けがうまくいかず、ストレスを覚える獣医師は少なくありません。

また、動物病院は10人以下の小さなチーム体制で運営しているところが多いです。閉鎖的な空間で長時間過ごすため、人間関係のいざこざが起こりやすい環境といえます。

このような労働環境に「ずっとこの環境で働き続けるのだろうか…」と将来性の不安を感じる獣医師もいるでしょう。

以下の記事では、獣医師の労働環境の実態を解説しています。現役獣医師による対談形式の記事となっているので、現場のリアルを知りたい方は参考にしてみてください。

【衝撃】獣医師の労働環境がヤバすぎる…現役獣医師がリアルな実態を解説!!


獣医師として将来性を高める5つの方法

ここからは、キャリアチェンジや年収アップを目指して、将来性を高める方法を5つ紹介します。

・獣医師として経験を積む
・開業医になる
・特定分野に特化した認定医になる
・今よりも年収が高い職場や職種に転職する
・今よりも働きやすい職場や職種に転職する

自分にあった方法を実践してみてください。

獣医師として経験を積む

獣医師として経験年数を重ねると、専門性や技術が評価され収入アップが見込めます。以下は、経験年数に応じた獣医師の平均年収を示した表です。

経験年数 平均年収
0年 約378万円
1〜4年 約443万円
5〜9年 約574万円
10〜14年 約609万円
15年以上 約798万円

参考:厚生労働省| 令和5年賃金構造基本統計調査より算出

経験を積むほど高度な治療ができるようになるため、獣医師としての市場価値も向上します。上司や飼い主から信頼されることで、将来性も高まるでしょう。

開業医になる

開業医の年収は、約800万〜1,200万円といわれています。先述のとおり、獣医師全体の平均年収は約686万円なので、開業医の平均年収は高いことがわかります。

開業医としての成功率を高めたいなら、地方での開業がおすすめです。地方では動物病院や獣医師の数が少なく、患者が集まりやすいため売り上げの増加が見込めるので成功率が高まります。

ただし、開業には多額の初期費用がかかり、資金ショートで倒産するリスクもあります。軌道に乗るまでは経済面で苦労が多いので、開業医を目指すなら長期的視点で成功を目指していく姿勢が大切です。

以下の記事では、開業医の年収や年収アップの方法を解説しています。開業医になりたい方は、情報収集にお役立てください。

動物病院を新規開業した獣医の年収について

特定分野に特化した認定医になる

認定医とは、特定の専門分野で学会の認定を受けた獣医師のことです。一定期間以上の臨床経験がある、学会が実施する研修を受けるなどの条件を満たし、かつ試験に合格すると認定医として認められます。

認定医には以下のような種類があります。

・獣医総合臨床医
・獣医内科認定医
・獣医外科認定医
・獣医腫瘍科認定医

認定医になると専門性の高さが評価され、年収アップにつながりやすくなります。専門分野に特化した動物病院を開業することも可能です。

今よりも年収が高い職場や職種に転職する

年収アップを目指すなら、現職よりも年収が高い職場や職種への転職も視野に入れましょう。基本給や手当の数が各職場で違うため、獣医師の年収は職場ごとに異なります。

また、職種によっても平均年収に差があります。たとえば、以下2つは高年収を目指しやすい職種です。

職種 主な仕事内容 平均年収
競走馬
獣医師
競走馬の健康管理や治療をおこなう 約1,079万(JRAの場合)
製薬会社に
勤める
獣医師
動物に使用する医薬品の研究開発をおこなう 約600万円から800万円
※5〜10年の経験者の場合

参考:日本中央競馬会|日本中央競馬会の役職員の報酬・給与等について

今の職場や職種以外で年収が高いところがないかを調べ、視野を広げてみるとよいでしょう。

獣医師の転職なら『VetAgent』の利用がおすすめです。業界最大級の求人数のなかから、希望条件にあう求人を厳選してご紹介いたします。

以下の記事では、競走馬獣医師・製薬会社で働く獣医師の仕事内容や働くうえでのやりがいを解説しています。興味のある職種があればぜひご確認ください。

競走馬獣医師の平均収入について仕事内容と共に解説

製薬会社で働く獣医師の仕事内容と管理獣医師について

今よりも働きやすい職場や職種に転職する

働きやすさを重視して転職すると、長く安定して働ける環境が手に入るため、キャリアアップの機会や収入の増加につながる可能性があります。

たとえば、今の職場で人間関係に悩んでいるなら、職場の見学をしてスタッフの関係性が良好だと感じられる職場に転職するとよいでしょう。また、動物病院の業務内容に不満を感じているなら、動物園の獣医師や家畜を治療する獣医師など自分が挑戦してみたい職種への転職を検討するのもひとつの方法です。

自分にあった職場や職種で働けば、仕事へのストレスを軽減でき、長く安定したキャリアを築けるでしょう。

以下の記事では、動物病院の獣医師・家畜を治療する獣医師の仕事内容や働くうえでのやりがいを解説しています。興味のある職種があればぜひご確認ください。

動物園の獣医師になるには?年収や仕事内容、1日の流れを詳しく解説

家畜を扱う牧場の獣医師である「産業動物臨床獣医師」「大動物臨床獣医師」の役割とやりがいについて


獣医師の将来性に関するよくある質問

最後に獣医師の将来性に関するよくある質問と回答をまとめます。

獣医師は食えない職種ですか?

以下は、獣医師と全職種の平均年収を示した表です。

職種 平均年収
全職種 約458万円
獣医師 約686万円

出典:国税庁|令和4年分民間給与実態統計調査(全職種)
出典:厚生労働省| 令和5年賃金構造基本統計調査より算出

獣医師は全職種の平均年収の水準を上回っているため、食えない職種には該当しないでしょう。

ただ、同じ医療系の職種である医師や歯科医師より年収が低いという現実や、ペットの飼育数が減少傾向にある社会的背景などが理由で「食えない」と言われることがあるようです。

以下の記事では、獣医師が食えないと言われる理由を解説しています。食えないと言われるようになった原因を詳しく知りたい方は、参考にしてみてください。

獣医が食えないと言われる理由は?初任給や年収の上げ方をご紹介

「獣医師になるはやめとけ!」と言われる理由はなんですか?

「獣医師になるのはやめとけ!」と言われているのには、以下のような労働環境や待遇面での理由があげられます。

・予想外の残業が発生しやすいから
・人間関係のいざこざが生じやすいから
・医師や歯科医師に比べて平均年収が低いから

とはいえ、もちろん獣医師としてやりがいをもって働いている方も多くいます。周囲の声に振り回されず、自分の正直な気持ちに従って今後のキャリアを考えていく姿勢が大切です。

以下の記事では「獣医師になるのはやめとけ!」と言われている理由を詳しく解説しています。この言葉が生まれた背景を知りたい方は、参考にしてみてください。

獣医師になるのはやめとけと言われる理由5つの理由|やめたくなったときの対処法も紹介

以下の記事では、獣医師のやりがいについて解説しています。現役の獣医師が対談式で仕事の魅力について語っているので、興味がある方はあわせてご覧ください。

現役の獣医師が仕事のやりがいについて本音で語ります

獣医師の将来性は十分に期待できる

獣医師の不足や働き方の多様化といった背景から、獣医師は需要があり将来性がある職種といえます。将来性に不安を感じている方は、本記事の情報を安心材料として前向きに捉えましょう。

キャリアチェンジや年収アップは自分の力でも実現できます。開業医になる道や転職も視野に入れ、将来性を高めるための行動を起こしてみてください。

獣医師の転職を検討する際は『VetAgent』にご相談ください。業界最大級の求人数のなかから希望条件にあう求人を厳選してご紹介いたします。

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