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獣医が食えないと言われる理由は?初任給や年収の上げ方をご紹介

獣医が食えないと言われる理由

世間では「せっかく獣医師になっても食えない(=人並みの生活ができないほど年収が低い)」と囁かれていますが、これは本当でしょうか?「獣医が食えない」と言われている理由はもちろん、獣医の初任給や平均年収などの給料事情を解説します。また、収入を増やして「食える獣医」になる方法も詳しくご紹介します。これから獣医になろうか悩んでいる方、現在獣医師で食えなくて困っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

獣医師の初任給と平均年収

新卒の獣医師が、小動物の診療を行う動物病院に就職してフルタイムで働く場合の初任給は、大体25万~28円程度とされています。また、厚生労働省が発表した「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」によると、獣医師の全国での平均年収は686.6万円です。

新卒獣医のスタートライン!地域別の平均初任給について

こちら動画では、獣医師の経験年数に伴う年収の変動について詳しく説明しています。現役の獣医師が、キャリアにおける年収のリアルな実態を解説しており、獣医師を目指す方やキャリアを積んでいる方に参考になる内容になっていますので、ぜひご覧ください。

獣医が食えないと言われる理由

巷では「獣医師は食えない」と言われていますが、何故でしょうか?獣医が食えないとされている理由として考えられるものは以下の5つが考えられます。

1.若手のうちは一般企業並みの収入だから

前述したように、獣医師の20代から30代前半にかけて年収は、一般的な企業や公務員並みです。動物の命を扱う以上、どうしても緊急性を要する仕事を日々こなさなければなりません。残業時間が多かったり、土日出勤が頻発したりすることで、「勤務時間に対して給料が少ない」と感じる若手の獣医師は少なからずいるでしょう。そのため、獣医師は「食えない」「稼げない」と思われていると考えられます。

2.都会では動物病院が飽和状態だから

令和元年に⽇本獣医師会が発表した「小動物獣医療の現状と今後の対応」によると、小動物診療施設数は人口の多さを反映して、関東・関西・中京など大都市圏に集中しています。全国において平成19年では9,836施設だったのが、平成29年では11,839施設に増加しました。

都市部では動物病院が飽和状態となっており、開業しても他の動物病院から患者が転院してくる可能性が低く、経営が上手くいかないと予想されます。なお、平成20年度の飼育頭数では、犬は1,310万頭・猫は1,089万頭でしたが、平成30年度には犬は965万頭・猫は890万頭に減少していて、動物病院を開いても新たに患者を獲得することが難しい状況です。

3.人間の医師より給料が低いから

労働政策研究・研修機構が平成24年に発表した「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、診療科目別の平均年収トップ10は以下の通りです。

順位 診療科目 平均年収(万円)
1 脳神経外科 1480.3
2 産科・婦人科 1466.3
3 外科 1374.2
4 麻酔科 1335.2
5 整形外科 1289.9
6 呼吸器科・消化器科・循環器科 1267.2
7 内科 1247.4
8 精神科 1230.2
9 小児科 1220.5
10 救急科 1215.3

獣医師の全国での平均年収が686.6万円であることを考えると、獣医師は人間の医師に比べると給料が低いことが伺えます。診療科目によっては獣医師の倍以上の年収が支払われているため、「食えない」とネガティブに捉えられているのかもしれません。

4.人間の医療より軽視されているから

人間の医療は命の価値や社会的な影響を考えると、治療費が高く設定されることが一般的です。しかし、動物の医療は人間の治療費に比べると低く設定されやすく、治療費に差が生まれているので人間の医療を扱う医師と動物を扱う獣医師では年収が大きく異なります。

5.獣医療の保険制度が整っていないから

医療保険制度は、高い医療費がかかってしまった患者の経済的な負担を軽減できるため、救済処置として非常に重要です。人間の医療では国でも民間でも保険制度が十分に整備されています。病気や怪我により高額な治療費が発生した場合、一部または全額を保険で賄えるため、患者の金銭的負担を大きく減らせます。

一方で、日本におけるペットの医療保険制度はまだまだ十分に整備されていません。国が設けているペット向けの保険制度は存在せず、民間の保険会社でもペットの保険は数自体が少なく、補償内容が十分とは言えないものがあります。ペットの飼い主は多額の治療費を自己負担する必要があるので、高額な治療が必要となると経済的な負担を軽減させるために、治療を断念したり簡易的な治療に留めたりする傾向にあります。

人間の医療とペットの医療では、保険制度の整備に大きな格差があるため、獣医師の年収は低くなってしまっている状況です。

食える獣医になるには

食える獣医になるには

前の章で「獣医は食えない」と言われている理由を取り上げましたが、現実的に医者とつくと高収入のイメージがあり、人間の医者に比べて収入が高くないので「食えない」と言われがちですが、実際にはほとんどの獣医が食べていけています。ここでは、獣医の全体的な収入を上げるいわゆる「食える獣医」になるための方法を解説します。

こちらの動画では、獣医師が年収を上げるための具体的な方法について解説しています。付加価値をつけることや、経験年数、開業、転職による年収アップのステップを詳しく説明しており、獣医師としてのキャリアをさらに充実させたい方におすすめの内容になっています。

地方で動物病院を開業する

開業医になって経営が上手く軌道に乗れば、勤務医よりも年収の大幅なアップが期待できます。動物病院の平均年商は3,000万円ほどとなっているので、自分が院長や経営者となれば勤務医よりも多くの年収が見込めるでしょう。

ただし、高額な初期投資が必要になること、売上が安定しないことから、初年度は赤字になる可能性が高く、開業後、初めの2年間は赤字経営になる傾向が高く、黒字になるのは3年目くらいが目安です。開業資金や赤字を耐え抜く資金が必要になってきますし、必ずしも病院経営がうまくいくとは限りませんのでリスクも高いです。

なお、都心部では動物病院の数が多すぎて飽和状態のため、開業するなら地方がおすすめです。前出の「小動物獣医療の現状と今後の対応」を参照すると、福島県・富山県・奈良県・徳島県・大分県などには小動物向けの動物病院が少なくなっております。それだけではなんともいえませんが、飼育するペットの数や利便性なども考慮して検討してみると良いでしょう。

報酬の高い職場へ転職する

報酬の高い職場へ転職すれば、年収がアップする可能性が高まります。獣医師の収入が高い会社や団体の一例は以下の通りです。

製薬会社

製薬会社は獣医師の実務経験を存分に活かせる場所です。業務内容としては、動物用の医薬品やサプリメントの研究開発・品質管理・試験監査などが挙げられます。また、研究現場の最前線に立たずとも、医薬品の相談窓口で医療従事者からの問い合わせに対応したり、新薬の実験用の動物を管理する管理獣医師としての仕事、営業職として動物病院やペット専門店の対応をする仕事もあります。インセンティブのある営業職で、契約件数や金額が多くて営業成績が良ければ、獣医師よりもたくさん稼げるようになるかもしれません。

動物関連の企業

動物に関する民間企業で、動物実験用の機器の企画・開発、獣医師向けの転職アドバイザーや人材コンサル、ペット保険会社の損害調査などが挙げられます。直接動物と関わる機会は製薬会社と比べると減ってしまう可能性が高いものの、動物の命や健康を影で支える存在となれるでしょう。年収は獣医ほど高くないかもしれませんが、他にも広報・マーケティング・経理など民間企業には様々な職種があるので、食べていけそうな収入が得られる仕事を探してみることをおすすめします。

JRA

JRA(Japan Racing Association・日本中央競馬会)とは、農林水産大臣の監督下にある特殊法人で、競馬の健全な発展を図って運営しています。

JRAが公表した令和3年度の職種別支給状況」によると、競走馬の医療や伝染病の予防等に関する業務を行う獣医職種の平均年収は、賞与を含めて1,079万2,000円となっています。

勤務医かつ獣医師で、年収が1,000万円を超える職場は非常に貴重です。毎年の採用人数は1桁台で大変狭き門ではありますが、JRAで働きたい獣医はぜひ挑戦してみてください。

獣医師の年収が低い理由!初任給から地域や経験年数による違いを解説

獣医が転職を成功させるためのポイント

獣医が転職を成功させるためのポイント

獣医が転職を成功させるためには、まず始めに将来のビジョンを明確にしましょう。今後どのような獣医師に成長したいのか、どんな職場環境で働きたいのかなど、自分の希望や条件をはっきりさせておくことが重要です。また、ライフワークバランスを重視したい人は、職場と自宅の距離や年間休日数、産休・育休の取りやすさといった事項も考えたうえで職場を探してみてください。

次に、自分の現時点での能力・経験・スキルを客観的に把握し、これらを十分に活かせる職場を探しましょう。求人に応募したい職場で求められているスキルや資格があれば、転職前に取得することをおすすめします。食品衛生監視員・飼料製造管理者・食鳥処理衛生管理者・狂犬病予防員など、講習会の課程を修了したり、各自治体が実施する採用試験に合格したりして、資格を増やしておくと就職先の選択肢が広がります。

転職するなら獣医師専門のエージェントに頼ろう

近年の転職市場では、特定の職業にスポットを当てたエージェントの人気が高まっています。そのため、獣医師がエージェントのサポートを受けて転職したいなら、獣医師専門の転職エージェントを利用しましょう。獣医師というニッチな職種のための独特な求人や業界の最新情報を提供してくれるので、獣医師専門のエージェントを利用すれば自分に合う職場に転職できる可能性が一段と高くなります。

また、獣医師の転職を成功させるための専門的なアドバイスやサポートをしてくれるため、一般的な転職エージェントでは相談できないような、獣医師ならではの悩みや不安にも親身になって答えてくれます。通常の求人サイトでは獣医向けの求人がなかなか見つからなくて困っている方、獣医師ならではの心配ごとや疑問をエージェントに相談しながら転職を成功させたい方は、ぜひ利用してみてください。

まとめ

獣医が「食えない」と言われている理由として、「若手のうちは一般企業並みの収入だから」「獣医療の保険制度が整っていないから」といったことが挙げられます。しかし、地方で動物病院を開業したり、報酬が高い製薬会社や動物関係の企業に転職したりすることで、現在よりも大幅に年収を上げられる可能性があります。獣医が転職を成功させたいなら、将来のビジョンを明確にしたり、獣医師専門のエージェントを利用したりすることをおすすめします。

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