受付時間 9:00〜18:00
(土日祝はお休み)

有料職業紹介 許可番号 13-ユ-309036
  • facebookでシェアする
  • tweetする
  • LINEで送る

獣医師国家試験の合格率は?大学別の新卒合格率や合格者数もご紹介

獣医師国家試験の合格率は?大学別の新卒合格率や合格者数もご紹介

獣医師になるには、大学の獣医学部を卒業して獣医師国家試験に合格しなければなりません。この記事では、直近の獣医師国家試験の合格率をはじめ、大学別に新卒の合格率や合格者数などをご紹介します。獣医師になろうか迷っている方、獣医学部選びに悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

直近6年間の獣医師国家試験の合格率

まずは獣医師国家試験の合格率を見てみましょう。農林水産省が公表している「獣医師国家試験の結果(過去5年間)」に掲載されている、第70〜75回の獣医師国家試験の合格率は以下の通りです。

実施年 受験者数(人) 合格者数(人) 新卒のみの合格率(%) 既卒を含む合格率(%)
第75回

(令和5年)

1,394 1,013 84.4 72.7
第74回

(令和4年)

1,254 877 81.1 69.9
第73回

(令和3年)

1,196 960 88.6 80.3
第72回

(令和2年)

1,146 953 92.1 83.2
第71回

(令和1年)

1,183 1,023 94.2 86.5
第70回

(平成31年)

1,141 942 91.7 82.6

引用:農林水産省「獣医師国家試験の結果(過去5年間)」

※合格率の小数点第2位以下は切り捨て

第70〜73回までの獣医師国家試験では、新卒の合格率は90%前後、既卒を含む合格率は80%前後で推移していました。ところが第74〜75回では合格率がそれぞれ約80%と約70%まで低下しており、獣医師国家試験を実際に受験した人からは「必須問題が過去の傾向から大きく変わった」という声が挙がっており、問題の性質が変化していると考えられています。

獣医学での医療技術は日進月歩で進化を遂げていて、新しい病気が発見されたり、治療法が確立されたりしています。そのため、獣医師国家試験では勉強で培ってきた知識を問うだけに留まらず、臨機応変に対処するための思考能力を判断する傾向に変化しているのかもしれません。

大学別の新卒合格者の合格率ランキング

農林水産省が公表している「獣医師国家試験の結果(大学別)」(令和6年3月14日訂正版)に掲載されている、第70〜75回(合計値)における大学別の獣医師国家試験の新卒合格者の合格率は以下の通りです。なお、合格率が高い順に大学名を並べています。

順位 大学名 受験者数(人) 合格者数(人) 合格者率(%)
1位 岐阜大学 190 173 98.3
2位 東京農業大学 234 224 95.1
3位 北海道大学 240 217 94.9
4位 鳥取大学 210 200 94.2
5位 日本獣医生命科学大学 510 459 93.6
6位 岩手大学 191 173 91.2
7位 日本大学 745 686 90.7
8位 宮崎大学 174 154 90.0
9位 北里大学 708 648 89.8
10位 山口大学 183 165 88.9
11位 鹿児島大学 185 166 88.9
12位 酪農学園大学 783 671 88.1
13位 大阪府立大学 253 205 85.9
14位 麻布大学 806 700 83.5
15位 帯広畜産大学 247 211 79.6
16位 東京大学 155 122 78.3
17位 岡山理科大学 114 77 67.5

引用:農林水産省「獣医師国家試験の結果(大学別)」

※合格率の小数点第2位以下は切り捨て
※岡山理科大学は75回目の数値のみ掲載

大学別の新卒合格者の合格率では、98.3%で岐阜大学がランキング1位となっています。その後は2位に95.1%の東京農業大、3位に94.9%の北海道大学がランクインしました。なお、国公立大学または私立大学によって、獣医師国家試験の合格率の高低の傾向は見られません。

大学別の新卒合格者数ランキング

以下の表は、前述の「獣医師国家試験の結果(大学別)」をもとに、第70〜75回における獣医師国家試験の大学別の合格者数を算出したものです。合格者数が多い順にランキングをつけています。

順位 大学名 合格者数(人)
1位 麻布大学 700
2位 日本大学 686
3位 酪農学園大学 671
4位 北里大学 648
5位 日本獣医生命科学大学 459
6位 北海道大学 217
7位 大阪府立大学 216
8位 東京農工大学 215
9位 帯広畜産大学 211
10位 鳥取大学 200
11位 岩手大学 173
12位 岐阜大学 173
13位 鹿児島大学 166
14位 山口大学 165
15位 宮崎大学 154
16位 東京大学 122
17位 岡山理科大学 77

引用:農林水産省「獣医師国家試験の結果(過去5年間)」

※合格率の小数点第2位以下は切り捨て
※岡山理科大学は75回目の数値のみ掲載

在籍している生徒数が異なるため、獣医師国家試験の受験者数は国公立よりも私立の方が多く、そのため合格者数も私立の方が多い傾向にあります。

直近6年間で獣医師国家試験の合格者数を最も多く輩出しているのは麻布大学で700人、2位は686人の日本大学、3位は671人の酪農学園大学と私立大学が続きます。国公立大学で最も多い合格者数を誇るのは217人の北海道大学で、僅差で216人の大阪府立大学、215人の東京農工大学となっています。

大学別の獣医学部の偏差値

獣医学部へ進みたいと考えている人は、大学を選ぶ際に偏差値が気になるでしょう。全国にある大学の獣医学部の偏差値を見ていきましょう。以下の表は、大学の偏差値を紹介している大手メディアの情報を元に、偏差値が高い順に大学名を並べたものです。

順位 大学名 学部・学科名 偏差値
1位 東京大学 理科Ⅱ類

(獣医学課程)

66
2位 北海道大学 獣医学部 65
3位 大阪府立大学 獣医学部 獣医学科 64
4位 東京農工大学 農学部 共同獣医学科 63
5位 岩手大学 農学部 共同獣医学科 63
6位 日本獣医生命科学大学 獣医学部 獣医学科 62
7位 岐阜大学 応用生物科学部

共同獣医学科

62
8位 帯広畜産大学 畜産学部

(共同獣医学)

61
9位 日本大学 生物資源科学部

獣医学科

60
10位 麻布大学 獣医学部 獣医学科 60
11位 北里大学 獣医学部 獣医学科 60
12位 鳥取大学 農学部 共同獣医学科 60
13位 山口大学 共同獣医学部 60
14位 宮崎大学 農学部 獣医学科 60
15位 鹿児島大学 共同獣医学部

獣医学科

60
16位 酪農学園大学 獣医学群 58
17位 岡山理科大学 獣医学部 獣医学科 55

引用:東進ハイスクール “合格可能性50%大学偏差値ランキング”より

「東進ハイスクールの合格可能性50%大学偏差値ランキング」によると、獣医学部の全体的な偏差値は、おおむね60前後です。偏差値が高い上位5位の大学はすべて国公立であり、私立大学よりも高い学力が求められていることがうかがえます。また、全国から学生が集まりやすい関東地方に所在している大学の方が、その他の地域にある大学よりも偏差値が高い傾向にあります。

岡山理科大学は偏差値が55とやや低めですが、これは2018年4月に開設されたばかりで受験者数が他大学よりも圧倒的に少なく、実績が充分ではないからだと考えられます。そのため、これから受験者数が増えれば偏差値も上がっていくかもしれません。

獣医学部の授業内容

獣医学部の授業内容

獣医学部では6年間にわたり、基礎獣医学(生理学・解剖学など)、病態獣医学(免疫学・病理学など)、応用獣医学(動物衛生学・食品衛生学など)、臨床獣医学(内科学・外科学など)の4領域を体系的に学びます。このような非常に専門性の高い知識と技術を身につけるべく、低学年では講義を、高学年では実習を中心に授業が行われます。

実習は大学内に設置された研究室や、大学附属の動物病院で行われることが多いです。例えば、犬や猫といった動物病院の患者の診療に参加したり、X線やCT、 MRIなど実物の医療機器を使って技術を習得したりします。近年ではVRを活用した臨場感のある映像を用いることで、よりリアルに手術についての技術や知識を深めるといったカリキュラムを組む獣医学部もあります。

獣医師国家試験とは

獣医学部を卒業することで獣医師国家試験の受験資格が得られ、無事に獣医師国家試験に合格して獣医師免許を取得することで初めて獣医師になれるのです。では獣医師国家試験とはどのような試験なのか、出題範囲や内容、出題数や合格基準などを解説します。

獣医師国家試験の受験資格

獣医師国家試験の主な受験資格は以下の通りです。

・現行の大学の獣医学の正規の課程(6年生)を修めて卒業した者
・外国の獣医学校を卒業した者や、外国で獣医師の免許を取得した者
・獣医師国家試験予備試験に合格した者

他にも特定の条件をクリアした者には、獣医師国家試験の受験者数が与えられます。また、受験回数や年齢に制限はないので、獣医学部の新卒生でなくても何回でも受験できます。

獣医師国家試験の出題範囲や形式

獣医師国家試験の出題範囲は以下の通りです。

・獣医解剖学
・獣医生理学
・獣医組織学
・獣医薬理学
・獣医病理学
・獣医微生物学
・獣医寄生虫病学
・獣医内科学
・獣医外科学
・獣医繁殖学
・獣医放射線学
・獣医衛生学
・獣医伝染病学
・獣医公衆衛生学
・毒性学
・実験動物学
・魚病学
・獣医師の倫理・法律に関する問題

出題形式は、筆記試験と実地試験の2部構成です。筆記試験はすべて選択問題で、筆答による多肢選択方式を採用しており、マークシートで解答します。実地試験では獣医師としての技術力を評価するために、実際のケースやシミュレーションが行われます。

獣医師国家試験は受験生の獣医学に対する知識の深さと多さ、医療現場での判断力や問題解決能力が問われます。知識のみならず、獣医師としての倫理観や法律への明るさ、社会に対する責任感などもしっかりと重視されるのです。学校の受験勉強のように単に学力が高ければ合格というほど獣医師国家試験は単純ではなく、獣医師としての素質が総合的に判断されます。

第75回獣医師国家試験(令和5年度)の概要と獣医師国家試験の合格率について

獣医師国家試験の出題内容と出題数

獣医師国家試験における出題内容と出題数は、以下の通りです。

出題内容 出題数
必須問題 ・獣医療の基本的事項

・獣医学の基本的事項

・衛生学に関する事項

・獣医学の臨床的事項

50問
学説A ・獣医療の基本的事項

・獣医学の基本的事項

80問
学説B ・衛生学に関する事項

・獣医学の臨床的事項

80問
実地C 原則として「衛生学に関する事項」「獣医学の臨床的事項」について、獣医療現場で実際に起こり得る症例・事例に関する基本的かつ重要な事項 60問
実地D 原則として「衛生学に関する事項」「獣医学の臨床的事項」について、獣医療現場で実際に起こり得る症例・事例に対する対処方法等の総合的な事項 60問
合計330問

引用:獣医師国家試験出題基準(平成26年改正)

出題範囲が広いうえに出題数も多いため、綿密に対策して獣医師国家試験に望みましょう。また多肢選択方式でマークシートにて解答するので、解答番号を塗り間違えたり、番号がズレたまま次々と塗ったりすると命取りです。マークシートでの解答方法に慣れておくためにも、たくさん演習問題や過去問題を解いて対策しましょう。

獣医師国家試験の合格基準

獣医師国家試験では、筆記試験と実技試験の両方で一定の得点を取ることで合格となります。合格基準は、必須問題では7割以上、学説A・Bおよび実地C・Dでは6割以上です。なお、医師国家試験や歯科医師国家試験で導入されている禁忌肢はありませんので、着実に正答を積み重ねれば合格できるでしょう。

獣医師国家試験合格率のまとめ

獣医師国家試験に合格して獣医師免許を取得しないと獣医師になれないので、獣医師を目指す人にとっては試験の大学別の合格率や合格者数はしっかりと確認しましょう。また、大学によって偏差値・カリキュラム・立地などが異なるので、それぞれの条件を加味したうえで慎重に大学を選んでください。

新着求人

こんな記事も読まれています