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動物園の獣医師になるには?年収や仕事内容、1日の流れを詳しく解説

動物園の獣医師になるには?年収や仕事内容、1日の流れを詳しく解説

「動物園の獣医師にはどうやったらなれるの?」
「年収や1日の流れが知りたい!」

このような疑問をもつ方もいるのではないでしょうか?

動物園の獣医師になるには獣医師免許が必要です。免許取得後、動物園に採用されれば獣医師として働けます。

本記事では、動物園の獣医師になる方法や、動物園獣医師の年収、仕事内容について解説します。1日の流れも紹介しているので、記事を参考に動物園獣医師の具体的なイメージを掴んでみてください。

動物園の獣医師になるには

動物園の獣医師になるには、獣医師免許が必要です。獣医師の免許を取得するには、6年制大学の獣医学科を卒業し、獣医師の国家試験に合格しなければなりません。

動物園で獣医師として働くには、求人を出している動物園を探して応募します。書類選考や面接を通過して採用されれば、動物園の獣医師として勤務できます。

獣医師になる具体的な方法や獣医師国家試験の内容について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

獣医師になるには何が必要?大学や獣医師国家試験について解説

動物園で働く獣医師の年収

動物園で働く獣医師の平均年収は400〜500万円ほどです。獣医師全体の平均年収は686万円なので、獣医師の中でも動物園で働く獣医師の年収はやや低めとなっています。国税庁の調査によると全職種の平均年収は458万円なので、動物園の獣医師の年収は全職種の平均と同じくらいの水準です。

動物園で働く獣医師に限ったことではありませんが、現場からは「獣医師の給料は低い」という不満の声がよく聞かれます。主な要因は、同じ医療系の職種と比べて平均年収が低いことです。以下は、医師・歯科医師・獣医師の平均年収を示した表です。

職種 平均年収
医師 1,436万円
歯科医師 924万円
獣医師 686万円

参考:厚生労働省| 令和5年賃金構造基本統計調査より算出

獣医師の平均年収は医療系の職種の中でも低く、その中でも動物園で働く獣医師の年収はさらに低めであることがわかります。

以下の記事では、動物園獣医師の平均年収や福利厚生などを解説しています。詳しく知りたい方は、参考にしてみてください。

動物園に勤務する獣医師の平均年収はどのくらい?

動物園で働く獣医師の仕事内容

動物園で働く獣医師の仕事内容

動物園で働く獣医師の主な業務は、動物園で飼育している動物のケガ・病気の治療です。そのほかにも、獣医師は動物園で飼育している動物に関するさまざまな業務を担当します。

<業務例>
・健康チェック
・伝染病の予防
・出産のサポート
・薬の処方
・投薬
・入院している動物の世話

動物園にいる動物たちが健康に過ごせるように、総合的にケアするのが動物園で働く獣医師の仕事です。

動物園で働く獣医師の1日

動物園で働く獣医師の1日を見てみましょう。

以下は、とある獣医師の仕事の流れです。

時間 仕事 内容
8:00 出勤 職場に出勤する
8:10 入院している動物の健康チェック 入院している動物の体調に異常がないかをチェックする
8:30 全体ミーティング ・1日の流れを確認する

・体調や様子が気になる動物がいれば飼育員に報告してもらう

9:00 信頼関係づくり

トレーニング

・診察や治療がスムーズにできるように、動物との接触を増やして信頼関係を構築する

・体重測定や採血の際にしてほしい動きをとってもらえるようにトレーニングする

10:00 各エリアの見回り ・各エリアを回り動物の体調をチェックする

・担当飼育員とコミュニケーションをとり心配事があれば情報を共有する

12:00 昼休憩 昼食・休息をとる
13:00 治療・ケアなど ・体調不良の動物やケガをした動物を治療する

・爪切りや歯のクリーニングなどのケアをする

・触診や採血といった健康診断をおこなう

・薬の処方や投薬をする

・出産の立会いをする

・亡くなった動物の死因を調査する

16:00 入院している動物の健康チェック 入院している動物の体調に異常がないかをチェックする
16:30 事務作業 飼育日誌や健康記録を作成する
17:00 退勤 退勤して帰宅する

動物園で働く獣医師は1日をとおして動物の健康管理や治療などをおこないます。

動物園で働く獣医師の5つのやりがい

動物園で働く獣医師の5つのやりがい

動物園で働く獣医師の仕事にはさまざまなやりがいがあるようですが、その中から5つを紹介します。

・飼育員と連携して働く環境に充実感を覚える
・多種多様な動物の生態や健康管理について学べる
・希少性の高い動物の保護や繁殖に携われる
・動物とスキンシップを図れる
・園者を笑顔にする

順番に解説します。

飼育員と連携して働く環境に充実感を覚える

動物園で働く獣医師には飼育員との連携が欠かせません。

動物の体調の異変にいち早く気付くのは、多くの場合、担当の飼育員です。獣医師は担当飼育員から動物の普段の様子や状態を聞いて、適切な診断と治療をおこないます。

獣医師も飼育員も、動物の健康を守りたいという共通の想いがあります。同じ想いを共有しながら働く環境に、充実感を覚える人も多いでしょう。

多種多様な動物の生態や健康管理について学べる

動物園には、以下のように多種多様な動物が暮らしています。

・上野動物園(東京都):300種ほど
・東武動物園(埼玉県):120種ほど
・旭山動物園(北海道):110種ほど

動物園の獣医師になれば、さまざまな動物の生態や健康管理に携わるため知見が広がります。知識や経験が増えれば、獣医師としての成長を実感できるでしょう。

希少性の高い動物の保護や繁殖に携われる

絶滅危惧種や特定の地域にのみ生息する動物など、希少性の高い動物も動物園に存在します。たとえば、動物園で見かける以下の動物は、自然界における個体数の少なさから希少性が高いといわれています。

・トキ
・イヌワシ
・ジャイアントパンダ
・ツシマヤマネコ

動物園の獣医師は、希少性の高い動物の保護や繁殖のプログラムに携わります。種を保護するのに重要な役割であり、社会的にも高い評価を受ける仕事といえます。

治療以外でも動物たちと触れ合える

動物園の獣医師は治療以外でも動物と触れ合う機会が多いです。

たとえば、各動物の健康チェックや退院した動物の経過観察をする際に、園内を巡回しながら動物と触れ合います。治療のプレッシャーから離れて、動物と接するひとときは獣医師にとって貴重な時間といえます。

動物園では、動物たちとの信頼関係の構築も大切です。動物が獣医師を信頼していると、治療や定期的な検査をスムーズにおこなえるためです。信頼関係を結ぶために、日頃から動物たちと触れ合う機会を作ります。

来園者を笑顔にする

動物の体調が悪いと展示できません。獣医師は動物の健康を裏で支えています。自分のおこないが来園者の笑顔につながっていると実感できれば、自分の仕事にやりがいや誇りを感じられるでしょう。

動物園で働く獣医師の大変なところ

動物園で働く獣医師の大変なところ

動物園の獣医師の仕事は大変なことも多々あります。ここでは、3つにスポットをあてて紹介します。

・園内の動物に対応する専門知識が必要になる
・危険をともなう動物と接触する
・緊急対応を要すれば労働時間が長くなる

順番に見ていきましょう。

園内の動物に対応する専門知識が必要になる

手術や治療をおこなう際には、動物の特性に応じた専門知識が必要です。

先述のとおり、動物園には多種多様な動物が暮らしています。ケガや病気の治療をすぐにおこなえるように、日頃から勉強しておかなければなりません。

動物によっては治療データが少なく、診断が難しい動物もいます。文献を読み込んだり、知見のあるほかの動物園に連絡をとったりしながら、対応にあたる機会もあります。

新しい知識を学ぶ必要が多い点では、苦労が多いかもしれません。

危険をともなう動物と接触する

動物園にはライオンやトラといった攻撃性のある動物や、レッサースローロリスやニホンマムシといった毒性をもつ動物など、取り扱いに注意が必要な動物も多く存在します。

動物園の獣医師は、このような危険をともなう動物の治療にも携わります。麻酔をかけたり防護服を着用したりと危険がないよう対策しますが、100%安全とは言い切れません。

動物園で働くということは、緊張感のある環境のなかで働くということなのです。

緊急対応を要すれば労働時間が長くなる

急な体調不良や出産など緊急性のある事態が起これば、労働時間外の勤務が求められます。動物の命がかかっており、優先的に対応する必要があるためです。

場合によっては深夜や泊まり込みで仕事をすることもあります。仕事とプライベートを完全に切り分けられない点に、悩みを抱える人も多いようです。

獣医師の転職先である動物園の種類は3つ

動物園の種類は大きく分けて3つあります。

・自治体が管理する公立動物園
・外部団体が管理する公立動物園
・民間企業が管理する私立動物園

それぞれの特徴を詳しく解説します。

自治体が管理する公立動物園

1つ目は、自治体が管理する公立動物園です。

<自治体が管理する公立動物園の例>
・千葉市動物公園(千葉県)
・東山動植物園(愛知県)
・神戸市立王子動物園(兵庫県)

自治体が管理する動物園の獣医師になるには、公務員試験を受けて、都道府県または市区町村の公務員を目指す必要があります。

ただし、公務員になれても、すぐに動物園の獣医師として働けない可能性があります。募集をかけている動物園が少ないことに加え、最終的に配属を決定するのは自治体だからです。

動物園勤務の希望を出しつつ、配属されるまでは動物病院で実務経験を積むのが一般的なルートといえます。

以下の記事では、公務員獣医師のなり方や仕事内容について解説しています。公務員獣医師に興味がある方は、チェックしてみてください。

公務員の獣医師とは?その仕事内容となり方を解説

外部団体が管理する公立動物園

2つ目は、外部団体が管理する公立動物園です。

<外部団体が管理する公立動物園の例>
・上野動物園(東京都)
・多摩動物公園(東京都)
・大阪市天王寺動物園(大阪府)

動物園側が出している求人に応募し採用されれば、この形態の動物園で働けます。ただし、獣医師の欠員は生じにくいため、求人を出している動物園は多くありません。

就職を希望する際には、こまめに求人をチェックしておく必要があります。

民間企業が管理する私立動物園

3つ目は、民間企業が管理する私立動物園です。

<民間企業の動物園の例>
・アドベンチャーワールド(和歌山県)
・長崎バイオパーク(長崎県)
・富士サファリパーク(静岡県)

このケースでは会社員の獣医師として就職します。ただし、公立動物園と同様に、求人の枠は多くありません。民間が管理する動物園は、公立動物園よりも規模の小さいところが多く、獣医師のポストが少ない傾向にあるためです。

私立動物園への転職を希望する場合も、こまめに求人を確認し、応募の機会を逃さない意識が大切です。

動物園の獣医師を募集する求人は少ない

動物園の獣医師を募集する求人は少ない

先述のとおり、公立動物園も私立動物園も、獣医師の求人は少ない傾向にあります。動物園は動物病院ほど数がなく、獣医師のポストが限られているためです。

動物園の獣医師を目指すなら、求人をこまめにチェックして、空きが出たらすぐに応募する姿勢が必要です。

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動物園の獣医師に関するよくある質問

最後に動物園の獣医師に関するよくある質問と回答をまとめます。

40代でも転職はできますか?年収はどれくらい?

40代でも転職は可能です。40代は知識や経験が豊富なため、現場で重宝されることも多いようです。

40代獣医師の平均年収は847万円で、20代、30代の年収に大きな開きがあります。

年代 平均年収
20代 463万
30代 647万
40代 847万

参考:厚生労働省| 令和5年賃金構造基本統計調査より算出

実績や能力が高く評価される40代は、昇格や昇給の機会が増えます。転職による年収アップも期待できるでしょう。

以下の記事では、40代獣医師の転職事情について解説しています。40代での転職を成功させたい方は参考にしてみてください。

40代の獣医師でも転職できる?注意点や成功のポイントを解説

大動物の治療ができるようになると年収は上がりますか?

牛や馬などの大動物を治療できる獣医師の年収は、およそ300〜500万ほどです。経験を積み、治療実績を積めば年収はさらに上がります。

以下の記事では、大動物獣医師の年収や給料アップのコツについて解説しています。詳しく内容を知りたい方は、あわせてご覧ください。

関連記事:大動物獣医師(産業動物臨床獣医師)の年収は?仕事内容や給料アップのコツについて解説

動物園の獣医師は多種多様な動物の健康を守っている

動物園の獣医師は、園内で暮らしているすべての動物の健康を守っています。どう猛な動物、絶滅危惧種の希少な動物など、獣医師が対応すべき対象は幅広いです。専門知識を習得するのは大変ですが、多くの動物と触れ合えるのは動物園の獣医師ならではの経験であり、魅力を感じる人もいるでしょう。

とはいえ、動物園の獣医師の募集は全国的に多くありません。動物園の獣医師になりたいなら常に求人をチェックし、応募の準備をしておきましょう。

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