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獣医師になるのは難易度が高い?心が折れないための勉強のコツや心構え

獣医師になるのは難易度が高い?心が折れないための勉強のコツや心構え

憧れの獣医師になるため日々努力をしているものの、「果たして、獣医師国家試験に受かるのだろうか……」と不安に思っている方はいませんか。

獣医学の世界は非常に広く、卒業までに膨大な量の知識を覚えなくてはなりません。
決して簡単ではない獣医師への道ですが、獣医学部への受験に成功した方なら、その経験を踏まえてきっと国家試験も乗り切れるでしょう。

本記事では獣医師国家試験の難易度や、難しいと言われる理由、勉強方法のコツなどを紹介します。

獣医師国家試験に向けて準備を始めようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

獣医師になるのは難易度が高い!

獣医師になるのは難易度が高い!

「獣医師になるのは難しい」と言われていますが、新卒者(2024年)の獣医師国家試験の合格率は84.4%と高い数値です。
参照元:農林水産省「獣医師国家試験の結果」

獣医師国家試験は他者と点数を競うわけではなく、これまで学んだ知識を正確に落とし込めているかを確認するためのものです。

80%という高い合格率から見ても、日々の学習を丁寧に取り組んでいればクリアできる可能性が高いでしょう。とはいえ、簡単な試験というわけではありません。

獣医師国家試験の経験者からは「国家試験に向けて朝から深夜までみっちり勉強漬けだった」といった口コミもあり、決して簡単な試験ではないことがうかがえます。

ただ、獣医師になるための道のりにおいて「国家試験よりも、そもそも獣医学部に入ることのほうが難易度が高い」と言われているのも事実です。

獣医学部のある大学は、偏差値が60~70と非常に高く、まずは受験に合格することが獣医師になるための最初の難関です。

獣医師になるためには「獣医学部への入学」「国家試験の合格」という、2つの大きなハードルがあることを認識しておきましょう。

獣医師国家試験の概要

獣医師国家試験は年1回、例年2月に実施されますが、最新(2025年)の日程はまだ公開されていません。※2024年9月時点

以下は2024年におこなわれた「第75回獣医師国家試験」の概要です。

開催日時 令和6年(2024年)2月14日
10:00~17:20
令和6年(2024年)2月15日
10:00~15:30
開催場所 ・北海道会場
・東京会場
・福岡会場
受験資格 ・大学の獣医学の正規の課程を修めて卒業した者、
または指定の期日までに卒業見込みの者
・外国の獣医学校を卒業した者や外国で獣医師の免許を取得した者
・獣医師国家試験予備試験に合格した者など、特定の条件を満たす者
試験の種類 必須問題に関する試験、学説に関する試験及び実地に関する試験
試験の科目 必須問題に関する試験、学説に関する試験及び
実地に関する試験のいずれも獣医学全般について出題する
試験の出題数 全330問(必須問題50問、学説160問、実地120問)
提出書類 受験願書、写真、返信用封筒、
卒業証明書など
受験手数料 13,900円
合格者の発表 令和6年3月13日午前10時に農林
水産省のホームページで発表

参照元:農林水産省 第75回獣医師国家試験の細目

なお獣医師国家試験は農林水産省が管轄しています。最新の試験日程については農林水産省のホームページを確認しておきましょう。

獣医師国家試験の難易度はどのくらい?

獣医師国家試験の新卒者の合格率は80%以上であると前述しました。ここでは過去3年分の数値を詳しく紹介します。

2024年(第75回) 2023年(第74回) 2022年(第73回)
新卒
合格率
84.4% 81.1% 88.6%
既卒
合格率
39.4% 27.7% 42.0%
その他 47.1% 26.3% 40.0%
合計 72.7% 69.9% 80.3%

※「その他」とは、獣医師法第12条第1項第2号又は第3号に該当する者のことを指します。
参照元:農林水産省「獣医師国家試験の結果」

このデータによると新卒者の獣医師国家試験の合格率は、過去3年間以上にわたり80%以上の高い水準をキープしています。一方、既卒者の合格率は20%台まで下がっている年度もあり、一度浪人すると一気にハードルがあがってしまうことがわかります。

次に、比較としてほかの国家資格の合格率を見てみましょう。

獣医師と近い職業である「愛玩動物看護師」の合格率は68.6%、「医師国家資格」の合格率は95.4%です。

もちろん合格率=難易度ではないため、合格率から難易度を推測するのは適切ではありませんが、獣医師国家試験が決して簡単な試験ではないことはおわかりいただけるのではないでしょうか。

獣医師国家試験について詳しくは、以下の記事も参考にしてください。

第75回獣医師国家試験(令和5年度)の概要と獣医師国家試験の合格率について


獣医師国家試験の難易度が高いと言われる3つの理由

獣医師国家試験の難易度が高いと言われる3つの理由

新卒者の80%以上は合格できる獣医師国家試験ですが「難易度が高い」と感じている人もいます。

難しいと言われる理由として、以下の3点が挙げられます。

・国家試験の出題範囲が広い
・出題傾向が変わることがある
・卒論準備と試験対策が同時期になる

これらのポイントをあらかじめ把握しておくことで、獣医師国家試験を攻略しやすくなるでしょう。

国家試験の出題範囲が広い

獣医師国家試験の難しさのひとつが「出題範囲の広さ」です。

獣医師国家試験は「必須問題」「学説」「実地」の異なる3つの部分から、計330問が出題されます。愛玩動物看護師の国家試験の問題数は200問となっており、100問以上の差があります。

過去に受験を経験した人の口コミでは「あまりにも範囲が広くてとても大変だった」という感想もありました。

出題傾向が変わることがある

2023年の試験は「以前とは問題の性質が変化した」と言われており、それによって点数が取りにくかったと考えられます。(参考:VetAgent調べ)

獣医学に関する技術の進歩とともに、覚えるべき重要な内容が変化していくため、試験における出題傾向も年によって異なる可能性があります。

過去問題を解くことも大切ですが、最新の情報をチェックしつつ試験対策をする必要があるでしょう。

卒論準備と試験対策が同時期になる

獣医師国家試験は、獣医学生として最後の年である6年目に受験することが一般的です。

受験資格は「獣医学部の正規の課程を修めて卒業した者(または卒業見込み)」となっており、卒業見込みではない場合、試験を受けられません。卒業するためには卒論を提出しなくてはならないため、6年次は12月頃まで卒論の準備にも注力します。

そして卒論の提出が終わり次第、翌年2月の国家試験に向けて最終の追い込みをすることになるのです。

どちらも非常に大変なため、精神的につらく感じる人も多くいるようです。

獣医師国家試験に受かるための勉強のコツ3選

ここでは、獣医師国家試験に受かるためのコツを紹介します。

勉強に取り組む前に、以下3つのポイントをチェックしておいてください。

・学習のスケジュールを立てる
・科目の優先順位を考える
・過去問で演習をおこなう

勉強のコツを知り、合格につなげましょう。

学習のスケジュールを立てる

まずは適切な学習スケジュールを立てることが、合格への第一歩です。

試験に関する情報収集や過去問題を集めるのにも時間がかかりますので、スムーズに勉強を進められるよう、できるだけ早い時期に学習スケジュールを立てておくことをおすすめします。

前述のとおり6年次は卒論作成のための時間も必要なため「いつ・何に・どのくらいの時間を割くのか」を、あらかじめ考えておくと良いでしょう。

科目の優先順位を考える

次に、具体的に取り組む勉強内容についても考えておきます。

獣医師国家試験では、多く出題される科目とそうでないものがあるので、優先順位を把握しておくと有利です。

たとえば、生化学や実験動物学は問題数が少ないので、優先度はあまり高くありません。

一方、解剖学や生理学、寄生虫学は出題される問題数が多いと言われているので、得点を稼ぐために重点的に取り組むと良いでしょう。

ただし、これらはあくまで過去の傾向に基づく予想であり、次回の試験も同じ配分とは言い切れません。

参考にしながら、自分のなかでの優先度を決めてみてください。

過去問で演習をおこなう

ベーシックな学習方法ですが、過去問の演習は欠かせません。

獣医師国家試験の過去問を繰り返し解いて、苦手な部分を取り除いていきましょう。過去問は最低5年分を用意して、できれば3回以上繰り返しておこなうことがおすすめです。

獣医師になるために心がけておくこと

獣医師になるために心がけておくこと

獣医師までの道のりはあと少しなのに、毎日の授業や実習などに疲れてしまい、つらく感じることが時にはあるかもしれません。

諦めずに獣医師を目指し続けるためには、以下の4つを心がけが大切です。

・動物への愛情を持つ
・精神力を鍛える
・学習意欲を持ち続ける
・体力をつける

気持ちが沈んでしまったり、自信をなくしてしまったりしたときは、共に学ぶ仲間に相談してみると良いでしょう。

動物への愛情を持つ

獣医師になるためには、動物への愛情を忘れないことが肝心です。

卒論準備や国家試験に向けての勉強など、大変なことも多くありますが「獣医師になって動物と関わりたい」という想いを忘れないでください。

獣医師国家試験に合格すれば、いずれ動物に囲まれた職場で仕事ができるようになります。

精神力を鍛える

試験対策をやり抜くためには、動物への愛情に加えて強い精神力も必要です。

獣医師となって勤務する際も、命を預かる仕事として常に冷静に対処できることが重要になります。ストレスを溜めすぎないよう、うまく気分転換できる方法を見つけておくと良いでしょう。

学習意欲を持ち続ける

獣医師としてさまざまな動物と接するためには、多岐にわたる知識が必要です。獣医学の世界では新しい技術や研究結果などが次々と出てくるため、情報のアップデートは欠かせません。

獣医師国家試験に合格して終わりではなく、実践の場でも常に学習意欲を持つことが重要です。

体力をつける

卒論準備や試験対策など、忙しい日々を乗り切るには十分な体力が必要です。

獣医師として働くことになったら、大きな動物の世話をすることもあるので、機敏に動ける身体作りが大切です。

ウォーキングやストレッチなど簡単なものでも良いので、身体を動かす習慣をつけておきましょう。

獣医師を目指す人が感じる疑問や不安

最後に、獣医師を目指すなかで疑問や不安に思う質問に回答します。

・獣医師国家試験に落ちてしまったらどうなるの?
・獣医師になったらどんな働き方ができる?

獣医師国家試験が終わればすぐに次のステップに進むことになるため、想定できるいくつかの道筋を把握しておくと良いでしょう。

獣医師国家試験に落ちてしまったらどうなるの?

獣医師国家試験に落ちてしまっても、再度チャレンジすることが可能です。

獣医師国家試験は何度でも受けられるので、一度落ちてしまっても諦める必要はありません。浪人する場合、予備校に通うかどうかも検討しましょう。

予備校への入学は必須ではありませんが、次の合格を確実なものにするためには、サポート体制があったほうが良いかもしれません。

なお、もし獣医師国家試験の合格を前提とした就職が決まっている場合は、内定先に相談する必要があります。

獣医師国家試験に落ちてしまった際の対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。

獣医師国家試験に落ちたら?国試浪人がするべきことや勉強方法を解説

獣医師になったらどんな働き方ができる?

獣医師国家試験に合格し、獣医師として働く場合の選択肢には、以下のようなものがあります。

・動物病院での診察・治療
・産業動物の管理
・公務員獣医師
・製薬会社で実験動物の管理・研究
・動物園や水族館での動物管理
・野生動物の保護・研究

最も多い活動分野は動物病院での診察や治療で、全体の約4割にものぼります。

同じ獣医師でも、就職先によって携わる業務がまったく異なるため、自分のやりたい仕事を早い段階からイメージしておくと良いでしょう。

獣医師の働き方については、こちらの記事もあわせて参考にしてください。

獣医師の仕事内容とは?動物病院や公務員、製薬会社などの獣医師の仕事をわかりやすく紹介

早めに勉強計画を立てて難易度の高い獣医師国家試験をクリアしよう

獣医師になる難易度は高く、長い道のりの最中でつらいと感じることがあるかもしれません。

就職先や具体的な業務内容など、なりたい将来像を具体的に決めておくことで勉強のモチベーションを保ちやすくなります。動物が好きという気持ちや、憧れの獣医師になりたいという強い意志を忘れないことも肝心です。

とくに6年次は忙しい日々が続くため、早い段階から計画を立てて、焦らず勉強に取り組めるようにしましょう。

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