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動物病院の開業資金は4~5千万円が目安│借り入れ先や注意点を解説

動物病院の開業資金は4~5千万円が目安

「動物病院の開業を検討しているけれど、いくらくらいかかるのだろう」このような疑問をお持ちの獣医師の方はいませんか。

獣医師として独立開業することを、夢や目標にしている方も少なくないでしょう。

本記事では動物病院の開業時にかかる費用や資金の調達先、融資を受けやすくなるポイントを紹介しています。

動物病院の開業に関するよくある質問もまとめているので、いずれ独立したいと考えている獣医師の方はぜひ参考にしてください。

動物病院の開業資金はいくら?

動物病院の開業資金はいくら?

動物病院を開業する際に必要な資金は、約4,000~5,000万円が目安です。

これは新規テナント出店費用の目安となりますが、開業する地域や店舗の広さによって大きく異なるでしょう。

土地を購入して戸建ての動物病院を建設する場合、なかには1億円以上の予算が必要なケースもあるようです。

内訳としては、医療機器購入の費用や建物の内装・外装工事費をはじめ、ペットフードの仕入れ費用などもかかります。

なお、導入する医療機器の一例としては以下のようなものがあげられます。

機材の一例 参考価格
(スペックにより異なる)
診察台 約20~30万円
X線撮影装置 約150~250万円
顕微鏡 約20~30万円
麻酔モニター 約250万円~
カラーエコー 約250万円~

獣医師が動物病院を開業する際の基礎知識については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。

獣医師が動物病院を開業するために必要なこと


動物病院の開業資金を準備する方法

動物病院の開業資金を準備する方法

動物病院を開業するには資金が必要ですが、どのように資金を準備したらよいのでしょうか。

以下では、開業資金を用意できる4つの方法を紹介します。

・日本政策金融公庫から借りる
・銀行から借りる
・地方自治体の融資を受ける
・親族から借りる

動物病院の開業資金は高額であるため、自己資金だけで用意するのはそう簡単ではありません。

スムーズに資金調達ができるよう、あらかじめ情報収集しておきましょう。

日本政策金融公庫から借りる

資金を調達する方法の一つとして「日本政策金融公庫」からの融資があげられます。

日本政策金融公庫は、中小企業の創業や経営を支援する政府系の金融機関であり、新規開業資金として最大7,200万円(うち運転資金4,800万円)までの融資をおこなっています。

日本政策金融公庫の融資のメリットは、長期返済が可能であることや、過去の実績がなくても融資が受けられることです。

ただし店舗数が少なく、個別の担当者がいないため、事業計画については相談しにくいかもしれません。

参照:日本政策金融公庫(新規開業資金について)

銀行から借りる

資金調達方法として多くの方が利用するのが銀行からの融資です。

ただし大手の銀行は、過去の実績のない新規事業に対しては、リスクが高い(返済できないおそれがある)という理由から、融資を渋る傾向にあります。

一方で、地方銀行や信用金庫は地域経済の活性化を目的として、新規事業に対する貸付をおこなっています。

地方銀行や信用金庫の融資相談では、事業内容のほかに、経営者の人柄や能力などもチェックされるケースが多いようです。

地方自治体の融資を受ける

地方自治体の中には、地域経済の活性化などを目的として、創業を支援する融資制度を設けているところがあります。

これらの制度を利用することで、動物病院の開業に必要な資金を調達できる可能性があります。

融資制度の内容や条件は自治体によって大きく異なるため確認してみることが大切です。

パンフレットやインターネットの情報をよく読んでから申し込みをしましょう。

親族から借りる

動物病院の開業資金調達において、親族からの借り入れを選択される方もいます。

個人間での貸し借りであるため、手続きが比較的簡単であるというメリットがある一方で、後々、トラブルがおきないよう十分配慮することも必要です。

借用書や返済計画書の作成をするとともに、利息の割合や支払い方法などについても、事前にしっかりと話しあっておくことが大切です。

動物病院の開業資金融資を通しやすくするポイント

動物病院の開業資金の融資を通しやすくする、3つのポイントは以下のとおりです。

・会社の経営理念を決めておく
・綿密な事業計画書を作成する
・専門家の力を借りる

前述の日本政策金融公庫や銀行、自治体など、どこで融資をお願いする際にも通ずることなので、ぜひ把握しておいてください。

会社の経営理念を決めておく

金融機関によっては、事業計画そのものだけではなく、経営者の情熱やビジョンなど内面的な部分を評価することがあります。

「どのような動物病院を作りたいのか」「地域社会にどのように貢献したいのか」といった点を具体的にまとめておくことで、担当者にアピールしやすくなります。

経営理念を明確にすることは、事業に対する想いを金融機関に伝えるうえで非常に重要です。

綿密な事業計画書を作成する

事業計画書は、事業がどれほど実現可能かを示すための重要な書類です。

具体的には以下のような内容をまとめます。

・経営理念
・事業概要
・資金計画
・売上予想
・競合他社分析
・マーケティング戦略
・実施スケジュール

金融機関は、この事業計画書をもとにして融資の可否を決めるため、できるだけ細かく正確な内容を記載する必要があります。

融資を受ける際にかならず必要な書類なので、できるだけ早めに準備しておきましょう。

専門家の力を借りる

動物病院の開業には法律や税務などさまざまな専門知識が必要であり、これらの知識が不足している場合、事業計画書の作成に時間がかかってしまうことがあります。

融資手続きをスムーズに進めるためにも、税理士や開業支援コンサルタントなどの専門家の力を借りることがおすすめです。

専門家に依頼すれば融資手続き全般をサポートしてもらえるので、自分は獣医師としての本業にしっかり取り組みながら開業準備ができます。

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動物病院の開業資金調達時に気をつけること

動物病院の開業資金調達時に気をつけること

動物病院の開業に際し、資金調達は避けて通れない課題の一つですが、実際に融資を受ける際は無理のない返済計画を立てることが重要です。

事業が軌道に乗るまでにある程度の時間がかかることを考慮したうえで、毎月の返済額を設定するようにしましょう。

また初期投資を最小限に抑えるためには、店舗の広さを適切なサイズに抑えたり、居抜き物件を活用したりするなどの努力も必要です。

過剰な借入れは経営を圧迫する要因となるため、無理のある資金計画を立てないことが肝心です。

動物病院の開業に必要な3つの書類

動物病院の開業にあたり、資金調達のほかに準備しておくことがあります。

それは、開業に必要な書類の作成と提出です。

以下では、動物病院の開業に必要な3つの書類について解説します。

・診療施設開設届
・動物取扱業届出書
・エックス線装置設置届

開業間近になって慌てないように、早めに準備を進めておきましょう。

診療施設開設届

動物病院を開業するには、獣医師法に基づき「診療施設開設届」を提出する必要があります。

これは、獣医師が診療をおこなう場所を定め、正式に動物病院を開業することを行政機関に届け出るための書類です。

診療施設開設届には、獣医師免許の写しや診療所の平面図などを添付し、所轄の行政機関(多くの場合、家畜保健衛生所)へ提出します。

提出期限は開業から10日以内と定められているので、開業予定日が決まり次第、速やかに手続きを進めましょう。

動物取扱業届出書

外来診療だけではなく、動物の入院サービスも提供する場合には「動物取扱業届出書」の提出が義務付けられています。

この届出書は、動物の取扱いを業とする場合に、その内容や規模を所轄の保健所に届け出るためのものです。

動物取扱業届出書を提出する際には、施設の構造や獣医師の数、取り扱う動物の種類や数などを詳細に記載する必要があります。

エックス線装置設置届

動物病院内でエックス線装置を取り扱う場合「エックス線装置設置届」も必要です。

放射線診療装置を導入する場合は、高エネルギー放射線診療装置や放射線同位元素装置の設置申請書も必要となるため、 導入する機器にあわせて書類を用意しましょう。

動物病院の開業に関するよくある質問

動物病院の開業に関するよくある質問

最後に、動物病院の開業に関する以下3つの質問に回答します。

・動物病院は開業後も毎月お金がかかるの?
・動物病院を開業すると儲かるの?
・開業よりも転職のほうがリスクが少ない?

不安なポイントをひとつでも解消してから、開業準備に取り掛かりましょう。

動物病院は開業後も毎月お金がかかるの?

動物病院を開業した後も、継続的にさまざま費用がかかります。

具体的には以下のような費用が該当します。

・家賃
・光熱費
・保険料
・人件費
・消耗品費
・広告宣伝費
・医療機器のメンテナンス費用

開業前にこれらのランニングコストを詳細に算出し、事業計画に組み込むことが重要です。

動物病院を開業すると儲かるの?

動物病院の年間売上は、約3,000万円が目安だと言われています(規模や地域によって異なります)。

この売上額から、人件費や家賃、医療機器の購入費用などの経費を差し引くと、オーナー獣医師の年収は750万円前後になることが予想されます。

しかし、この数値はあくまで平均であり、実際の収益はお客様の数や毎月かかる家賃など、さまざまな要因によって大きく左右されるでしょう。

一方、開業することで勤務医のときよりも高い収入を得る可能性も十分にあるため「勤務獣医師よりも儲かる」と感じる方がいるかもしれません。

獣医師の年収については、こちらの記事でも詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

獣医師で年収1億は可能?現実的な年収と収入を上げる方法を解説

開業よりも転職のほうがリスクが少ない?

獣医師が開業するメリットとしては、自分の理想とする治療が実践できる点や収入を上げられる点などがあげられます。

ただし、経営に関する知識や経験が必要であったり、資金調達や人材採用、営業など業務が多岐にわたったりと負担も多くなります。

「働き方を変えたい」という思いがあったとしても、必ずしも開業だけが選択肢ではありません。

転職であれば、開業に比べてリスクは少なく、安定した環境で新たなスキルを磨くことも可能です。

開業と転職、どちらを選ぶかは個人の価値観や目標によって異なります。

それぞれのメリットとデメリットを比較検討し、慎重に決断することが大切です。

動物病院の開業資金を借りる際は事前準備が大切

動物病院の開業においては、多額の資金準備が不可欠であり、そのためには事前の入念な準備が肝心です。

とくに事業計画は、事業性が高いことを金融機関に納得してもらうための重要な資料となるので、十分な時間をとって作成しましょう。

動物病院の開業は大きなやりがいを感じられる一方で、借金を負うリスクを回避できません。

慎重に計画を立てながら、自分にとって最適な方法で、理想の動物病院開業を実現させてください。

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